好きの海に溺れそう
出来上がった料理は良い匂い。



達成感…。



「杏香さん、今日いつ帰ってくるの?」

「うーん、10時くらいかな」

「ご飯残しておく?」

「多分外で食べてくると思うからいいよ」



なんてやりとりをしつつ、みんなで食卓を囲んだ。



「いただきます!」



俺の隣で杏光がポテトサラダから食べ始める。



杏光がポテトサラダ好きだから献立に入れたんだ。



嬉しそうに食べてる杏光を見るのが嬉しい。



「おいしい~」



玖麗も、食べながら笑顔で、もごもごと喋る。



「口、付いてんぞ」



玖麗の隣に座ってる悠麗が、玖麗の口の横についてるご飯粒を指した。



「え?あっ…」



赤くなって口元のご飯粒を取る玖麗。



カップルみたい…。



「海琉、そういえばバイトどう?」



玖麗が聞いた。



「ん?楽しいよー。来週、キッチンの方も入れてもらえるって」

「海琉は料理するの好きなんだね」

「接客も楽しいしね」



なんて話しながら、完食!



綺麗にお皿から料理がなくなってて嬉しい。



「玖麗泊まってけば?もう9時だよ」



杏光が玖麗に言った。玖麗はソファーの上で伸びてる。



「ん~?今日は帰ろうかな~…」

「そっか。気をつけるんだよ?遅いから」

「はいはーい」



それから玖麗と悠麗は30分だけゲームをしてから、悠麗が玖麗のことを家まで送りに行った。



杏光は、洗い物をしてる。



「海琉はまだ帰んないの?」



食器拭きをしようと、杏光の横に立った。



杏光が羽織ってるパーカーが下がってきて、濡れそうになってるのに気づく。
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