好きの海に溺れそう
秋には色々と
~海琉~
秋。体育祭の季節。
俺たちの学校は、体育祭がいちばん盛り上がる。
中でもいちばんの目玉が、希望者制の応援団のダンス。
希望者制といっても、ほぼ全員参加だ。
三年生を中心に、各カラーごとダンスが作られる。
同じカラーの人同士でペアのダンスの相手も決められるから、ペアを決めてる三年生に言えば好きな人と同じペアになれる。
同じカラーになれれば嬉しいねなんて杏光と話してたけど、結局同じにはなれなかった。
「こうなったら意地でもあたしたちのカラーが応援賞とるしかないね」
帰り道。いつも通り杏光と並んで歩く。
夏の間は白いポロシャツだった制服が、今は袖を折ってまくったワイシャツになっている。
「俺たちのカラーだって結構すごいよ?」
俺たちの学校では、総合成績よりもむしろ応援で賞が取れるか取れないかにかかってる。
だからみんなのやる気は相当なものらしい。
「海琉は体育祭はじめてだね、そういえば」
「そうだね。去年、杏光の応援しにみんなで行ったけど」
俺と玖麗と悠麗、当時は中3で、3人で杏光の応援をしに体育祭まで足を運んだ。
そんな話をしてたらいつもの分かれ道。
家が隣なのに、帰り道で分からないといけないこと、杏光は内心不満だろうな…。
申し訳ないと思いつつ、杏光とバイバイした。
1人で歩きながら、体育祭のことを考える。
そういえば明日は、ペアダンスのペア発表の日。
杏光以外誰となっても興味はなかったけど、俺と杏光が同じカラーじゃないってことは、杏光は誰か別の人となるってことだ…。
杏光モテるから、俺以外の人となるの嫌だなあ…。
そう思ってたら、杏光も同じことを思ってたみたいだ。
次の日、俺よりも杏光の嫌な気持ちが的中した。
「海琉のペア…るみちゃんって本当…?」
「うん…」
物凄く複雑な顔してる…。
全く知らない人より、やっぱりバイト先が同じだから気になるのかも…。
「杏光の方はどうなの?」
「あたしの相手?彼女いる人だから問題ないよ」
その答えにちょっとほっとする。
秋。体育祭の季節。
俺たちの学校は、体育祭がいちばん盛り上がる。
中でもいちばんの目玉が、希望者制の応援団のダンス。
希望者制といっても、ほぼ全員参加だ。
三年生を中心に、各カラーごとダンスが作られる。
同じカラーの人同士でペアのダンスの相手も決められるから、ペアを決めてる三年生に言えば好きな人と同じペアになれる。
同じカラーになれれば嬉しいねなんて杏光と話してたけど、結局同じにはなれなかった。
「こうなったら意地でもあたしたちのカラーが応援賞とるしかないね」
帰り道。いつも通り杏光と並んで歩く。
夏の間は白いポロシャツだった制服が、今は袖を折ってまくったワイシャツになっている。
「俺たちのカラーだって結構すごいよ?」
俺たちの学校では、総合成績よりもむしろ応援で賞が取れるか取れないかにかかってる。
だからみんなのやる気は相当なものらしい。
「海琉は体育祭はじめてだね、そういえば」
「そうだね。去年、杏光の応援しにみんなで行ったけど」
俺と玖麗と悠麗、当時は中3で、3人で杏光の応援をしに体育祭まで足を運んだ。
そんな話をしてたらいつもの分かれ道。
家が隣なのに、帰り道で分からないといけないこと、杏光は内心不満だろうな…。
申し訳ないと思いつつ、杏光とバイバイした。
1人で歩きながら、体育祭のことを考える。
そういえば明日は、ペアダンスのペア発表の日。
杏光以外誰となっても興味はなかったけど、俺と杏光が同じカラーじゃないってことは、杏光は誰か別の人となるってことだ…。
杏光モテるから、俺以外の人となるの嫌だなあ…。
そう思ってたら、杏光も同じことを思ってたみたいだ。
次の日、俺よりも杏光の嫌な気持ちが的中した。
「海琉のペア…るみちゃんって本当…?」
「うん…」
物凄く複雑な顔してる…。
全く知らない人より、やっぱりバイト先が同じだから気になるのかも…。
「杏光の方はどうなの?」
「あたしの相手?彼女いる人だから問題ないよ」
その答えにちょっとほっとする。