好きの海に溺れそう
日夏は笑いながら言って、カバンからあんパンを出した。



「食べる?」

「食べない…」



いつも食べるか飲むかしてる日夏が全く太っていないのは日夏七不思議の一つだ。



まあ七つも不思議ないけど…。



「じゃーはじめよ~」



あんパンを食べ終わった日夏は、ゴミになったあんパンの袋をカバンにしまった。



代わりにコテとヘアチョーク、その他細々としたものを出した。



なんであたし達が早く学校に来る約束をしたか。



それは、お洒落するため!



「やっぱチョークじゃなくて普通に色入れたかったよね~」

「先生許してくれてもいいのにね、体育祭くらい」



言いながら髪の毛をカラフルにしていく。



最後に前髪を編み込んでひまわりのヘアピンで留めた。



目の下につけまのりでラインストーンをつけて完璧!



「ん~かわいい!」

「自分で言うな」

「言っちゃうし~」



早く海琉に見せよ~。



待ち合せから1時間も遅れたから時間ギリギリに仕度終了。



気分上がってきた!



開会式に出て校長先生の話を聞き流したら、体育祭スタート!



楽しむ!



グラウンドを歩いていたら、友達と歩いている海琉がいた。



あたしに気づくと寄ってくる。



「なんか杏光かわいいね?」

「それ失礼じゃない? いつもでしょ」

「うんまあね」



あたし達ってバカップル?



でも相手が海琉ならバカップルでも構わなーい!



「どうしたのこれ?」



海琉があたしの前髪のひまわりに触れる。



「あたし達のカラー、黄色だから合わせてみた!」

「杏光ひまわり似合うね」

「ありがと!」



隣を見るとあきれ顔の日夏。
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