怖い話特集
俺は強く反対したのだが従姉妹に押し切られ、結局その夜、家人が寝静まった夜半過ぎに家を抜け出した。

従姉妹と待ち合わせケヤキの森につく頃には一時を回っていた。

入り口にバイクを隠し、懐中電灯の明かりを頼りに森の中へと足を進めた。

夜の森は静まり返り、昼間とは全く違う顔を見せていた。

鈴虫やコオロギの声、俺や従姉妹が下生えを踏みしめる音。

有機的な匂い。

時おりがさっと何かが立てる音がして俺をびくつかせた。

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