怖い話特集
夢と同じように、金属板の中に引きずり込まれたのか、あるいは別のことが起きたのか、それは定かではない。

結局あの金属板が何だったのか、それは誰も分からない。

知っているのは、小学生と、蓋をした『誰か』だけだ。

田所君の話の面白いところは、創作にも関わらず、話のラストで全てが明らかになるわけではない、というところだ。

この「蓋の話」にしても、結局その金属板が何なのか分からずじまい。 

話が終わり、ひとしきりブルッた後、俺たちは話の続きというか『あの金属板が何だったら面白いか』という話題で盛り上がった。

ありきたりだが、あの世に繋がっている鏡、というのが多数だった。 

あの世じゃなくて地獄だ、いや精神世界だ、鏡じゃなくて時空のゆがみだ、といろいろな想像を話して楽しんだ。

だが、何故か分からないがみんなその話に小さな違和感を感じていた。

そしてその後、田所君が伝説となった出来事が起こる。
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