怖い話特集
話の中に出てきた『小学生』とは、田所くん自身だったのだ。

彼は、彼の話してくれた内容に違わず行方不明となったのだ。 

怪談先生グレートは、文字通り自ら「怪談」になった。

そう考えると、不思議と悲しくはなかった。

やっぱりあいつ、グレートだな。

誰かがポツリと言った。

みんなの心のうちを代弁する言葉だった。

田所くんの最後の怪談は、彼自身の話。

そして彼は伝説となった。

これが、田所くんの話した『創作ではない話』の二つ目だ。

あれから20年が経ったが、田所くんは今でも見つかっていない。
 
田所くんの親もすぐに引っ越してしまい、祖父母の田舎はどこなのか、とか写真やスケッチの話を聞くことはできなかった。
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