怖い話特集
次のドアが開いた気配はない。もう一度鉈を振るう。

ぐちゃ。

顔の見えない匿名性が罪悪感を麻痺させる。

もう一度鉈を振り上げたところで、かちゃり、と音がしてドアが開いた。

右手のテレビの画面からは、色のない瞳をした餓鬼がぎょろりとした眼でこちらを覗き返していた。

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