怖い話特集
しかし五日目を過ぎると、あっさり平熱に戻っていたという。

その後、祖母の家に戻ると、驚いたことに俺が女の子と遊んでいた山の麓は、木が切られ山は削られ、宅地造成の工事が始まっていた。

俺は驚き焦り、祖母と両親に山にまでつれて行ってくれと頼んだが、病み上がりなのでつれて行ってもらえなかった。

それ以来、俺は女の子と会うことはなかったが、たまに夢に見るようになった。

数年後聞いた話に、宅地造成の工事をやった時、麓の斜面から小さく古びた社が出てきたらしいというものがあった。

工事で削った土や石が降ったせいか、半壊していたという。

何を奉っていたのかも誰も知らなかったらしい。

< 238 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop