怖い話特集
山を通る人を襲い、路銀を奪い、殺した。

だがそれだけではない、必ず2人一組を狙い、片方を惨たらしく殺した後にもう片方を殺す、そして後に殺した方の首を切り落とし、砕き、粥に混ぜ子供に与えていた。

古い思想だが、人間の頭には「魂魄」が宿るとされてきた。

だが「魂」と「魄」は別物で「魂」は死後、天に昇る魂で「魄」は重く濁り、死後は頭部に留まり、やがて散って行く魂とされている。

女は「魄」だけを子供に与え続けた。

そうする事で怨鎖の念を増幅し断ち切らぬように。

そして十年の月日が経ったある日、女の目的が実行された。

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