怖い話特集
恐らく歳にして十二歳位だろうか、自分が育てた子供を生きながらにして首を切り落とした。

生きながら殺す事で「魂」も「魄」共に頭部に残した。 

そして頭部を人の行き交う街道に埋め、人が行き交う事で「魂」が昇るのを防ぎ、怨鎖の念が増幅する事を待った。

そして怨鎖の念が増幅し続ける事十二日目、女は頭部を掘り起こし、頭部の中の土と自分の血を混ぜ合わせ土像を作った、悍ましいまでの鬼の像だ。

それを箱に納め封をし、出来上がったのが「外法箱」だ。

通常とは作り方も意味も根本から違う恐ろしい物

それを用いて、町の女を呪い殺そうとした。

だが、十年という長い歳月が経ち、あれだけ恐ろしく悍ましい事をしてきた女が噂にならない筈がない。

町に堂々と出て来た女は町人から捕まった「鬼」として。

そして今までの数々の所業の償いとし、無論処刑となった。 

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