逃がすもんか!
少女漫画にありそうな、素敵な人と果たす運命的な出会いとやら
思えば、だいぶ酔っていたんだと思う。
特に嬉しいこともないのに、ガバガバとウィスキーを飲み干し、気が付けば見知らぬ部屋のベッドで寝ていた。
目が覚めて、それから気持ち悪くなって、トイレに行って吐こうとしたけど、ここがどこかわからない。わからないけど、初めて来た家だって、トイレのある場所くらい見当はつく。
その見当を頼りにトイレの前まで来ると、先客がいたらしく、電気のついた個室の中から「オエオエ……。」と聞こえる。決して気持ちのいいものじゃない。
最悪の目覚めだ。
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