逃がすもんか!





「それってつまり、タバコよりも危険ってこと?」



「よくわかりましたね。その通りです。」



本当だろうか。よくわからない。わかりたいとも思わない。唯一わかりたいのは、佐田という人間だけだ。



ちょうど1時間、こうして向かい合って座って飲んでいると、ステータスはわかってきた。そして、そのステータスを聞いた時、私は酔わずにはいられなくなった。



酒で忘れたいことの一つや二つはある。でも、忘れられるのはほんの一瞬。まるで、バイクで事故を起こして、気が付いた時には病院のベッドでたくさんの管に繋がれていたくらいの一瞬。




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