逃がすもんか!
「あー、最近と言えば。何かあった?」
「何かって何が?」
「色恋沙汰。」
私は言おうかどうか迷ったけど、言うことにした。あさみのポジティブな考えを少しでも取り込んで、この状況をどう処理したらいいか教えを乞いたかった。
「それってどうなの?」
「どうなのって?」
「いや、相手学生くんでしょ? それもボロアパートに一人暮らししてるような。」
「そうだけど。」まさかとは思うが……。
「もしかしてあさみ、私がその子と付き合いたいと思ってると思ってる?」
「思ってるからわざわざ話したんでしょ? で、思ってると思ってるから、やめた方がいいって遠回しに言ってあげてるの。」