逃がすもんか!
佐田が「ドライブでも見に行きませんか?」と連絡してきたのは、次の約束を取り付けた日から4日後のことだった。
会うスパンが早いなと思いながらも、その日はちょうど休みで、することもなかったからドライブの誘いを受けることにした。
家の前に、ライトブルーのアルトラパンが止まった時に、マジかと一瞬思ったけど、言われるがまま助手席に乗った。
若い男の子で、丸っこいタコメーターが付いてるような車に乗っている人を、私は佐田以外に知らない。
「これ、佐田くんの車なの?」
「そうですよ。従姉からもらったんです。」
まあ、カッコつけて外車のミッションなんかに乗るよりはまだ学生らしくていい。とはいえ、これはこれで少しダサい気もする。
「私が運転しようか?」
と言ってもよかったんだけど、さすがにそれはマナーがなってないからやめて、任せることにした。佐田を男にしてやる。