ホワイトライオン

高校生初めての春

クラス発表の紙が貼り出されてる

んん?…♪

良かった良かった

やっと幻雪と同じクラスになれた!

「幻雪!やっと同じクラスになれたな!」

オレと幻雪が見つかった瞬間にオレは

隣でオレらを必死に探す幻雪にすぐ伝えた

『え?ホント!?』

『勉強頑張って良かったぁ(ノ∀・、)』

半泣きでオレに笑いかけるその顔は

オレのためだけのモノだ

あぁこれがしあわせってヤツだな

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーーン

あ、やべっ!

5分前のチャイムじゃん!あと5分!


ガラララララァ

オレは教室のドアを勢いよく開けた

これからの高校生活で

なめられたくないからに決まってんだろ?


えっっと…

席はどこだ?

え…

げ…

最悪…

幻雪と真逆の席…

せっかくの

同じ高校

同じ学年

同じクラスで

良い感じに平和な青春っぽかったのに

まあ同じクラスになれただけでも

感謝してやるか…

あぁ…

女子軍団マジホントうるせぇ!

でもまあオレは

『学校の白王子』

だから仕方ないか…

「ちょっとしつこいぞー!」

オレの営業スマイルを

クラスのブスごときに与えなければならない『えぇー!白王子冷たーーい!』

うん。だってお前のブスな顔面を

このオレが見てあげた

と言うだけでも死んでも良い身分なんだぞ?

「あ、ごめんオレ彼女いるから…」

ちょっと沈んだ感じで言った

「彼女を不安にしたくないんだ」

ついでにちょっとイケメンなこと言ってみる

「ごめんね」

『いいなぁ』

『白王子にこんなに想ってくれるなんて』

『彼女幸せなんだろうなぁ』

「いやいやそんなことないよ」

キミには

キミの顔に合った人がいると思うよ

『私も彼女になりたい』

いやいやオレ

こんなブスが彼女だったらたぶん死ぬもん

「あ!黒紀じゃん!」

廊下で面倒くさい女子軍との

くだらない終わりのない話をしてたら

腐れ運の幼なじみの黒紀に会えた!!

「何組だった?」

ちょっと今日のはダルい系だったんだよな…

ついでにしれっと黒紀についてこ!

「俺はA」

「あマジ!?オレはB」

よしよし順調…?

うっわ最悪

嘘だろ…?

後ろからついてきてる…

キモい…

ちょっとトイレに避難しよ!

「黒紀ー!トイレ行こ!」

ちょっと走って逃げてきたけど

やっぱ後ろについてきてる!!

えぇ!?

トイレの前で待つのってあり!?

ちょっと消えてくれんの待とっと!

…ってあれ!?

なんかトイレの外で女子軍が騒いでる…?

ラッキー!

やっとトイレから脱出できる!

女子が何で騒いでんのか

ちょっと気になって見てみた

は?朝の呟きくんじゃん!

よく顔は見えなかったけど

たぶんコイツだと思う!

声でわかった

この特徴的な

少し声高めの王子様ボイス

うん!まちがいねぇ!!コイツだな!!

人ゴミの中でこっそりぬけだして

呟きくんがオレの前に来た!

「ねぇこの学校探検に行こうよ!」

は?

何か大事な話があるのかと思ったら

『探検しようよ?』ふざけんなよ?

「えー!いいけど?」

オレもちょうど、この呟きくんと

話がしたかったとこだったんだよなぁ!

まずオレの白王子と言うキャラが被るとこ

「まずはどこにするー?」

とにかく早く話がしたいんだよオレは!

「えーじゃあ第1予備室!…でいい?」

決めるのがはやくて良い!!

「うん!OKだよー!」

もちろん!

早い分には場所なんてかまわないからね

バタン!ガチャ!

予備室のドアを閉めて

鍵まで閉めて

聞かれないように厳重に

部屋のカギを掛けた

は?何の話をすんの?

初対面なのに何?

「オレに何の御用ですか?」

マジ何の用があってオレ!?

あーあ

いつもの白王子がちょいキレモードに

突入してしまった…

「オレ朝から言ってなかったっけ?」

は!?

まさかのあのライバル宣言!?

どっかおバカさんが

何かのノリで言っただけだと思ってた…

やっぱウケるんだよな

オレのライバルなんているはずないのにね

今日の入学式の

生徒代表あいさつしたんだぞ?

しかもその挨拶は学年1位でこの高校に入った人だけのやつなんだよ?

オレはあと3点で満点だったんだぞ?

そんなオレをライバルだって?

「でもオレがあいさつをした時点でキミはオレに負けたんだよね?」

ちょっとだけ、被ってたお面が剥げてきた…

「え…?先生から聞いてないの?」

マジかまだお面が剥げないのか…

「ホントは僕が1位なんだよ♪」

は…!?何言ってんの!?

「…オレ満点だから」

深くて暗い声

腹黒いヤツなのか…

なーんちゃって~!

今のは明らかに

頑張って、低い声を出してたよな?

中学校の時それだったからわかるんだよ

幼き坊やよ。



ん!?

でもなぁ…

待て待て!!ふざけんなよ?

「ウソはやめた方がいいよ…(怒)」

きょとんとした顔だ…

まさかのリアルガチで天然…?

「ホントだから!」

ちょっとキレて言う所が幼くみえる

「先生に聞いたら!?」

やっぱ全ての動作が幼く見えてきた

「仕方ないなぁ」

面倒くさいけどいっか

「あとでオレが先生に聞いとく」

なんでこのオレが

こんな厄介なヤツに負けたかどうかなんかを

聞かなくちゃいけないんだよ!

「まだオレはお前をライバルって認めねぇ」

つーか認める訳がねぇよ!

まずアイツの言ってること事態

正しいのかどうかわかんねぇのに

認めるなんてありえねぇ

認める前にまずオレは担任に聞きに来た


コンコン!

「失礼します!」

初めての職員室だ

でもまさか

あの呟きくんのために来るはめになるとは…

「芝田先生はいらっしゃいますか?」

どの先生に聞けば良いのか

わかんねぇからオレは

学年主任の芝田に聞こうと思った

「学力優秀のキミが職員室に」

あーね。見た目どうりの声だ…

推定59歳。来年退職しそうな感じ

女子にだけは優しいと言う噂もある

そう!つまり変態である。

「何の用があって来たんだい?」

やっぱココはイケメンボイスでいこう!

「あの…急にすみません」

「学年1位でこの高校に入ったのは誰ですか?」

ちょっと驚いたような顔は

どういう意味なのかよくわかんなくて

オレを不安にさせる…

「なんでこんなこと聞くんだい?」

ちょっとおろおろしながら聞いてきた

これはまずいやつかもしれん…

「えっっと…」

オレは朝からあった出来事を全て話した

「そうだったのか…」

「実はお前は学年2位でこの高校に入学したんだ」

呟きくんの言ってたことってマジだったんだ…

「でそのお前が言ってる『呟きくん』は」

おぉ?ついに謎の解明…?

「この高校に満点で入学した…」

「『尻山 光耀』だ」

じゃあなんで

尻山じゃなくてオレが

生徒代表あいさつなんか

したんだよ!!

「じゃあ何故僕があいさつしたんですか?」

でもそれくらいで

お面は外れない

「尻山は留学してて海外でテストしたんだ」

は?そんなんなしだろ!

「だから点数が届くのが遅かったんだ」

「今回は高校の責任だ、ごめんな尻山。」

なんか無茶苦茶な高校だな

でもまあ学年主任の芝田に

頭を下げられただけで今回はよしとするか…

次の日学校の玄関で尻山に会った

「おはよ!」

「…~っ!おはよう」

最悪…

朝から尻山の顔面を見てしまった

テンションがいっきに下がる

うぅ…

最悪…

『ねぇ真白~♪』

俺の方に走って来て腕を組んできた

なんかいつも以上にぶりっ子voiceだ

「んー?」

『ちょっと話があるんだけど』

うん

『1限目サボってもいいよね?』

え?そんな大切な話?

「うん、いいけど?」

はぁーーーー…

『やっぱり私達別れよ?』

『お互い相性良くなかったと思うんだ』

「え…いいけど…」

『うん!じゃあそれだけ!』

『バイバイ』

「うん…バイバイ」

それから数分くらい呆然と立ち尽くしていた


えぇ!?

なんで?
幻雪から告ったのに?

なんで?
俺のどこが不満だったっての?

なんで?
そんなこと急に言ってきた?

なんで?
俺はこんなにもショック受けてんの?

なーんかイヤな予感がするんだよな…

なんでだろ…

俺別にアイツのこと

好きじゃなかったはずなのにな

あーあ

あの呟き野郎がきてから

ろくなこと起きてないな…

まあいっか

俺実は毎日女には何回も告られてっし

えっと…

新しい彼女でも作るか

いつもの生活で

いつもの女子達の

ラブレターがたくさん入った

俺の靴箱

開けて最初に掴んだヤツを

彼女にすると決めてあけた俺の靴箱は

何も入ってなくて

ただ俺の上靴しかなかった

状況が掴めなくて俺は

もう1度俺の靴箱かどうか確認した

やっぱり俺のだ

なんでだろう?

その解答は教室に入ればすぐわかった

クラスに女子が1人もいない

なんでなんだ?

いつもなら教室の外まで

溢れ返ってるのに?

俺は呟き野郎のとこに行く予定

…が!

その途中

廊下に大量に溢れ帰った女子達がいて、

俺はアイツの教室にさえも辿り着けなかった

なんと尻山は俺のファンをむしりとっていったのだ!!

なんでこんなことが続く…?

マジ最悪…

あーあこの真白様のファンいなくなったし

でもこれで良かったのかもしれない

鬱陶しかったし

面倒くさかったし

ブスばっかだったし

移動時間なかったし

まあファンいなくてもいっか
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