ね?私って、暴虐でしょ?
私はまず、殺す方法をノートに書き留めることにした。何がいい案が思い浮かぶかもしれない。
まず、響也を殺そう。響也の部屋からつき落とせばいい、簡単な仕事だ。自分の部屋の窓から侵入し、響也を突き落とし、自分の部屋の窓から戻り、音に気づいたように窓からのぞけばいい。第一発見者になるは致し方ないが、一番手っ取り早い方法だろう。
後の6人がめんどくさい。響也が死んだと知ったら、間違いなく私を疑うだろう。ただでさえ殺されそうになっている身だ。あまり大胆に出ても、墓穴を掘るだけだ。
だがあいつらにも弱点がある。
“一つが崩れれば、もう片方も崩れ落ちる”
例えば海斗の場合、幼なじみの隼人を殺せば、海斗が崩れる。そういうことだ。
響也を殺せば、僚太が崩れる。
果歩を殺せば、里絵が崩れる。
結葉を殺せば、美愛が崩れる。
崩れた者は脆くなり、殺しやすくなる、赤子の手を捻るより簡単だ。
ただ、そこまで順調にいくものなのか。途中で必ずといっていいほど、殺されるリスクは高くなる。
やはり、この計画は難しいか。
んー。難しいものだ。8人という大人数が障りだろう。
一気に殺すことは出来ないだろうか。
例えば睡眠薬を飲ませて海に捨てるとか。……海はできないが、学校のプールとかになら捨てれるかも。でも、目撃者が現れたらアウトだし、睡眠薬を市販で買うのもリスクを伴う。やっぱり無理か。
はぁ。なんかいい方法ないかな。人殺しできるゲームとか。
……無理だよな。やっぱり現実味のあることをしないと。
殺しじゃなくても、花怜が死んだ理由、原因を突き止め、警察に突き出せば。
花怜は学校の屋上から突き落とされた。だが、上靴を脱ぎ、遺言が残されている状態では、自殺と思うこともわかる。しかし、不自然なこともある。
後ろ向きで落ちていたこと。
それなのに、上靴の向きは外側を向いていたことだ。
警察が調査をしているが、正直、当てにならない。ちゃんとあの8人をつきとめてくれるのか、きちんと裁きを受けるのか。この二つが重要だ。
……いいや、それでは復讐にはならない。やはり、この手で全員をぶち殺さないと。
ここまでノートに書いてみたものの、いい案はない。
私はふと、時計を目にする。朝の3時を指していた。
明日、いい案が思い浮かぶことを祈り、今日は寝ることにした。
───いい夢が見られますように。
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