たった二文字が言えなくて

自分に興味の無い子

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「ねぇ、静菜ちゃん」



俺は次の日、昨日ぶつかった女の子に話しかけてた。
案外席が近かったみたいで、斜め後ろにいたんだ。



「え……」



覚えたての名前で彼女を呼ぶと心底嫌そうな顔でまた俺を見る。



「ん?静菜ちゃんでしょ?」


「……名前、なんで勝手に呼ぶのよ」


「そんな嫌そうにしなくていいじゃん」



静菜ちゃんの頭をポンポンっと撫でる。



「……勝手に触らないで」



俺の存在を無視するかのように机の上にある、ブックカバーの付いた小説を手に取る。



「ねぇ、俺とデートしようよ」


「……は?」



俺が誘えば小説を見ていた視線を俺に移す。



「デート、しよう」



もう一度、今度は彼女の前の席に腰をかけて、彼女と同じ目線になってみる。

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