糖度高めな秘密の密会はいかが?
綾美も含めて4人で居ることが多くなって来たから、今まで目立たなかった私まで目に付くようになってしまった。

有澄との関係が広まり出したら、何か嫌な事が起きるのかな?

私は仕事ばっかりしていて、この5年間は恋なんて忘れてたけれど両立って出来るものだと知ったから有澄との関係を解消したくはないのだけれど。

近い内に必ず何かが起きる、そんな気がしている。

虫の知らせと言うかなんと言うか、悪い予感は当たるものだ───・・・・・・

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日下部さんが社員食堂に行くと私も人目を盗んで向かった。

大半の人が12時過ぎにお昼を食べる為、今の時間は空いていた。

「お疲れ様です」

「とりあえず座って…すぐ食べ終わるから」

頷いてから日下部さんの正面に座ると、

「はい」

と言って、いつもの甘いデザートをくれる。

今日は杏仁豆腐。

「いただきます」

素直に受け取って食べる。

私が食べなければ杏仁豆腐は配膳に下げられて捨てられてしまうもの。

「お前は本当に幸せそうな顔して食べるな」

「そ、そうですか…?だって杏仁豆腐美味しいから」

社長の方針で社員食堂のランチは手作りが基本となっている為、デザートも手作り。

「だから餌付けは止められない」

「何ですか、それ!?酷い…」

日下部さんは私を見ながら、箸を持ったまま笑っている。

「食後にコーヒー飲みながら話します?私買ってきます」

「大丈夫、いらない。コーヒー位は出してくれる所に行くから」

「………?」
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