糖度高めな秘密の密会はいかが?
空気が重い。
日下部さんは壁際を見つめたまま、私は下を向いたまま、終始無言のままでエレベーターが企画開発部の前で止まる。
先に降りた私は深呼吸してから、職場に戻る。
日下部さんはそのまま、何処かに消えた。
「ゆかり、どこ行ってたの?」
「綾美、お疲れ様。ちょっと雑用…」
"副社長室"に行って、プライベートな話をして来ました・・・とは綾美にも言えないな。
有澄と日下部さんが義理の兄弟だと言う事はいつの日か知れ渡る事になるかもしれないが、私からは一切誰にも、綾美にも話さない。
私達だけの秘密だもの。
義理の兄弟だと言う事が知れ渡り、傷つくのは日下部さんだ。
平気な振りをしていても、清算出来ない過去もあるだろう、と私は思う。
詳しくは分からないが、忘年会前にお互いの事を知ったのなら・・・今までは義理の兄弟だと知らずに生きて来た二人。
お互いに葛藤などあっただろう。
「秋葉、配っといて」
突然、日下部さんが来てドサッと私のデスクに置いたと思ったら、目の前には社内報の山。
「日下部さん…」
「何?」
「あっ、いえ、何でもないです…」
日下部さんが戻って来たんだ・・・と思い、返事をする前に名前を呼んでしまっただけ。
社内報を担当しているのが総務課なので、総務課に行ってきただけなのかな?
もしかしたら高橋さんが作ってたりして?
「間違っても高橋が作った訳じゃないぞ。人事部が作ってるから」
「ま、まだ居たんですか?それに何でお見通しなんですか?」
「やっぱり、な。お前の考えそうな事だろ?」
日下部さんは壁際を見つめたまま、私は下を向いたまま、終始無言のままでエレベーターが企画開発部の前で止まる。
先に降りた私は深呼吸してから、職場に戻る。
日下部さんはそのまま、何処かに消えた。
「ゆかり、どこ行ってたの?」
「綾美、お疲れ様。ちょっと雑用…」
"副社長室"に行って、プライベートな話をして来ました・・・とは綾美にも言えないな。
有澄と日下部さんが義理の兄弟だと言う事はいつの日か知れ渡る事になるかもしれないが、私からは一切誰にも、綾美にも話さない。
私達だけの秘密だもの。
義理の兄弟だと言う事が知れ渡り、傷つくのは日下部さんだ。
平気な振りをしていても、清算出来ない過去もあるだろう、と私は思う。
詳しくは分からないが、忘年会前にお互いの事を知ったのなら・・・今までは義理の兄弟だと知らずに生きて来た二人。
お互いに葛藤などあっただろう。
「秋葉、配っといて」
突然、日下部さんが来てドサッと私のデスクに置いたと思ったら、目の前には社内報の山。
「日下部さん…」
「何?」
「あっ、いえ、何でもないです…」
日下部さんが戻って来たんだ・・・と思い、返事をする前に名前を呼んでしまっただけ。
社内報を担当しているのが総務課なので、総務課に行ってきただけなのかな?
もしかしたら高橋さんが作ってたりして?
「間違っても高橋が作った訳じゃないぞ。人事部が作ってるから」
「ま、まだ居たんですか?それに何でお見通しなんですか?」
「やっぱり、な。お前の考えそうな事だろ?」