糖度高めな秘密の密会はいかが?
糖度2*主回路の誤作動に要注意!
頭が少し痛くて、胃がムカムカする。

香坂君と一緒に飲みすぎてしまったみたい。

昨日の夜の出来事の余韻にも浸れないまま、朝日は私にお構い無しに顔を出していた。

そのまま寝てしまっていたので、スーツは皺になり、シャワーも浴びていない状態で遅刻寸前だった。

唯一の救いはアラームを毎日鳴るようにセットしていた事位。

かろうじて出勤はしたものの、頭の回転が悪く仕事が進んでない。

自分の落ち度は十分に理解していて反省しているので、少しでも仕事を進めたいと思ってはいるのに、日下部さんと来たら───・・・・・・

「秋葉、デザイン案まとまったのか?」
「秋葉、春先の企画案は見たのか?」
「秋葉、サンプルが届いたから段ボールから取り出して机に並べろ」

秋葉、秋葉、と連呼しなくて結構!

私は二日酔い気味だから、じっと座ったままで仕事をしたいのに、今日に限って何度も自分のデスクまで呼び出しては何かと用事を言いつける。

用事が終わり、これでやっと落ち着いて仕事が出来ると思い自分のデスクに座ると更に呼びつけて、「秋葉、コーヒーおかわり」との事。

コーヒーをおかわりは流石に私ではなく、他の誰かでも良いでしょう?

「日下部さん、おかわりはご自分でどうぞっ!!」

私は自分のデスクから立つ事なく、お断り申し上げた。

私の態度に周辺が凍りつく。

企画開発部の室内では誰も日下部さんには口答えしたり、タメ口を聞いたりはしないからだ。

日下部さんよりも年上の社員からも常に敬語。
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