糖度高めな秘密の密会はいかが?
背中越しにクスクスと笑っているのが分かる。

完全に何かしてしまったと悟る。

有澄と一緒にお酒を飲むのは危険だ・・・何かと失態ばかりをしてしまう。

「今日はどこ行こうか?」

「…天気が良いから屋外がいい」

「屋外か…。まぁ、いっか」

この後、朝食ブッフェを食べて、朝の海をちょっと散歩してからホテルを後にした。

帰り道、道順的におかしいと疑っていたら、東北方面の高速道路を走行。

「ゆかりが海見たいって言ってたから、もう一件予約してた。今度はスイートルームじゃないけど…」

「聞いてないっ!だから、着替えは多めにって言ってたんだ!海に行ったら汚れるからって言ってたからおかしいなとは思ってた」

「サプライズだから言ってなかったし。でも砂で汚れたのは確かでしょ?」

不敵な笑みを浮かべる小悪魔な王子は、わがままし放題。

「どうせ、ゆかりは俺んち泊まる予定だったからいいでしょ?」

「そうだけど…」

「国内旅行ってあんまり行った事ないから付き合って」

聞けば、中学時代までは海外旅行を毎年の様に行っていたそうで、やっぱり御曹司だなと実感。

高速で降りた場所は仙台付近で海沿いの温泉に泊まり、水族館とアウトレットに行き、次の日に帰って来た。

帰って来て驚いたのはカメラのデータを見直していたら、ソファーで浴衣がはだけたまま寝てしまった私の写真があった事!

さすがに怒ってしまったのだが、有澄に上手になだめられて結局は流されてしまう結末。

有澄にはかなわない私だった───・・・・・・
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