糖度高めな秘密の密会はいかが?
だから、本当は1LDKのアパートにこじんまりと暮らして、私の作る庶民的な料理が好きなのかもしれない。

「有澄って、何で一人暮らししたの?」

実家には相良さんも住んでるのに置いて出て行くなんて・・・!

「そんなの決まってるじゃん。ゆかりを連れ込む為だよ!他に何かある?」

ふわりと持ち上げられ、お姫様抱っこをされてベッドに降ろされ見下ろされる。

「わぁっ!?……あ、りとってお金持ちって言われるの嫌いそうだから、庶民的なものに憧れたのかなって思って?」

真上から直視されるのが今だに慣れなくて、心臓に悪い。

目を思わず反らして話をするが、ドキドキが止まらない・・・有澄の髪が濡れていて色っぽく見えるから余計だろうか?

「ご名答!それもあるね…。ゆかりはもう寝なさい!俺はソファーで寝るから、おやすみ」

おでこにキスをされて、有澄が去ろうとしたので咄嗟に腕を掴む。

「何でソファーで寝るの?」

「…だって、女の子の日が来ないとまだ妊娠の可能性が否定出来ないし、もしも妊娠してたら赤ちゃんに悪影響かなって思って」

検査薬はほぼ正確らしいけれど、妊娠の兆候の値がまだ薄いのかも知れず、絶対とは言いきれない。

「悪影響?どうして?」

「…はぁ。我慢はするけど…本当は赤ちゃんがいて成り行きでエッチしちゃって流産したら嫌だから、ソファーで寝るの!」

妊娠初期に無理なエッチをすると、流産の可能性が高くなる事を有澄が調べたのだろう。

「…今日1日、不安だったから有澄とくっついて寝たい」

「……そんなに可愛くお願いされたら寝るしかないけど、本当に本当に俺にとって拷問なんだから。今日みたいな日こそ、ゆかりを思い切り抱いてから寝たかったんだから…。

女の子の日が終わったら、覚悟しといてね!」
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