糖度高めな秘密の密会はいかが?
「それでも良いから、今日は一緒に寝てくれる?」

「うん、分かった」

有澄に腕枕をしてもらい、後ろから抱きしめてもらうと私は直ぐに眠りにつけた。

何か話しかけられたけれど、安心しきっていて目がトロンと眠くなっている私には聞こえなかった。

夜中に一度、目が覚めてお腹がチクチク痛むような感覚があったが眠気が半端なくて、直ぐにまた瞼を閉じる。

有澄に小さな女の子が抱っこされている夢を見た。

「パパ」って呼んでたから、娘ちゃんかな?

髪が長くて可愛い女の子。

私にも「ママ」と言って近寄って来たところで目覚ましが鳴り、夢から覚めた。

朝食を作りながらも夢の中を思い出す。

子供の居る結婚生活も悪くないな、有澄はきっと優しいパパになるはずだ。

「今日の朝方、有澄が女の子を抱っこしている夢を見たの。可愛い女の子だったよ」

「そんな未来も楽しみだね」

今日の朝ごはんは、ワンプレートに乗せたサラダとハムエッグとトースト。

お気に入りの生姜ドレッシングがかかったサラダを食べながら、有澄が優しく微笑む。

いつも通りに紅茶を入れていたら、有澄からのダメ出しが・・・。

「ゆかりはノンカフェインしか飲んじゃダメね。それじゃなくても、旅行の時にお酒飲んじゃってるし、昨日も紅茶飲ませてしまったし。結果がハッキリするまでダメ!」

「うぅっ…。寂しいけど我慢する」

私よりも有澄の方が神経質になっていて、どっちが女性なんだか分からない。

検査薬では陰性反応が出たけれど、二週間経っても女の子の日が来なければ産婦人科に行く予定。
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