糖度高めな秘密の密会はいかが?
有澄は、私が日下部さんになびいてしまうかもしれないと心配しているらしい。

それはないって何度も言ってるのに・・・困ったもんだ。

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約束の時間30分を少し過ぎて職場に戻ったが、日下部さんはまだ戻って来てなかったらしく、良かったと胸を撫で下ろす。

頂いたサンプル品を綾美に渡し、各部署に回して貰う様にお願いした。

その後はいつも通りの業務に戻り、綾美にも移動の件は聞けないままに退勤時間になった。

車の中で寝てしまったのに、まだ眠い。

残業する程でもないから帰ろうかな・・・と思っていると綾美が話しかけてきた。

「ゆかりに相談があるんだけど…ちょっとだけでもいいから寄り道しない?」

「うん、いいよ。高橋さんは?」

「たまには2人で話したいな!」

これはもしや移動の話では?

いつ切り出されるのかな?と思いながら、駅ビル内にあるコーヒーショップに立ち寄る。

「ゆかり、珍しいね、紅茶飲まないなんて?」

「うん、ちょっと遅れてて…今の所は陰性なんだけど念の為…」

「え?そうだったの!?来ないなら早めに病院行きなよ。もしかしたらもあるかもしれないんだからっ」

紅茶ばかりの私がホットココアを注文したので、綾美は珍しがっている。

あと3日位待っても来なかったら、二週間ちょっと遅れているから今度は病院行こう。

こんなにも遅れているなんて、段々と心配になって来た。

「ちょっと聞いて!高橋君がもしも結婚して子供が出来たら、自分が育休取得するから、綾美さんは自分の仕事を全うして下さいって言ったの!」
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