糖度高めな秘密の密会はいかが?
「全然違うよ!大貴は性格悪いし…。今はあんなにクールぶってるけど、小学生の頃なんか悪ガキでイタズラばっかりしてた」

「今は全然そんなんじゃないのにね。有澄、普段は相良さんの事、名前で呼んでるの?」

「うん…でも、名前で呼ぶと怒るから、あんまり呼ばない」

この辺りは事情があるんだろうから、これ以上は踏み込んではいけない様な気がする。

有澄と相良さんの関係は、有澄にとっては友達、相良さんは友達だと思っていても表向きには出さない様にしているんだと思う。

相良さんの祖父母がお手伝いさんだったので、相良さん自身も呪縛というか、抜け切らずにいるのだと勝手に想定する。

「ここが実家ね…。緊張しなくて大丈夫だよ。先に言っとくけど、想像してたのと違っても苦情は受け付けないからね…」

ついに到着した実家。

角にある家で、見た所、外壁が綺麗なベージュの大きな二階建て。

テレビでしか見た事がない大きな門。

門が自動で開いたので奥へ進むと高級外車が一台と相良さんの車が停めてあった。

周りを見渡していたら足がすぐんで来た。

「ゆかり?またおまじないする?」

「し、しなくて大丈夫っ」

有澄はクスクスと笑ってる。

余裕なのは当たり前だよ、自分の実家なんだから・・・それに比べて私は緊張が増してきた。

有澄が玄関の扉を開けたので、覚悟を決めたら・・・アレ?

「秋葉さん、こんにちは。ちょっと取り込み中なんで上がって待っていて下さい。おかえりなさいませ、副社長。実は…会長ご夫妻もいらっしゃるそうで…」

「知ってる。さっき、母さんからメール来てた。てゆーか、何で来るの?ややこしくなるから呼ばなくて良かったのに!」
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