糖度高めな秘密の密会はいかが?
「あの人、カッコいいよね!」
「可愛い系で見てるだけで癒されるよね」
「彼女居るのかな?声かけてみない?」

女性だけのグループのお客様のほとんどが彼に釘付けらしく、話題が絶えない。

アイドルの様な可愛い系の顔立ちに低すぎないボイス、そこそこある身長、接客も丁寧で笑顔が素敵。

どこをとっても申し分ない彼なので、女性達が釘付けになるのも分かる。

近付きたくても近付けない女性達の中で、仕事終わりに彼と一緒に出かける事になっていると考えるだけで優越感。

食べながら、一人でニヤけてしまいそう。

ごめんなさい、皆様、香坂君は彼氏ではないけれど、この後は二人きりで出かけます───・・・・・・

「お前、また一人で寄り道してるんだな」

優越感に浸っていたのに、聞き覚えのある声が後ろ側から聞こえた。

驚きつつも後ろは振り返りたくないので、無視して聞こえない振りをしてしまった。

「グラスビール1つお願いします」

私の前側に回り込み、勝手にビールを注文して勝手に座り込んで来たのは、鬼畜な俺様上司、日下部 郁弥(くさかべ ふみや)。

所属部署の企画開発部からは恐れられる存在だが、総務部などの直接関わりのない部署の女子からはカッコいいと持て囃される存在。

確かに綺麗な顔立ちをしているし、高身長だし、スタイルも悪くない。

おまけに28歳にして部長職。
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