糖度高めな秘密の密会はいかが?
パソコン脇に置いたスマホが点滅したので香坂君だと思って直ぐに確認すると・・・"忘年会の回覧は週明けに各部署に回すからヨロ"という日下部さんからのメッセージ。

12月に入っても忘年会の話が出ないからおかしいなぁ・・・とは思っていたが、こんなに急ぎとはね!

さっき言えば良かったのにメッセージで伝えるとは・・・日下部さんめ、ふざけてるっ!!

返信をしないまま、仕事に没頭する。

香坂君と会えると仮定して、残業にならない様に目標の作業まで頑張ろう・・・。

───夕方になり、定時時間を30分位過ぎた頃に香坂君からメッセージが届いた。

香坂君から連絡が無かったので少し残業していこうと思い、パンフレットの構想を練っていたところだった。

"ごめんね、しばらく会えない。
バイトを辞めて新しい職場にいます。
クリスマスには休みをとります。
また連絡します、本当にごめんなさい。"

予想外な返事に愕然としてしまい、私は仕事をする気が失せてしまった。

バイトを辞めた事も新しい職場の事も何にも聞かされてなくて、ただじっとスマホを握り締めてメッセージを見つめては溢れそうになる涙を我慢するのが精いっぱいだった。
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