糖度高めな秘密の密会はいかが?
私が彼女だと勘違いをしてただけなのかな?

お酒を飲んでいたから、その場の雰囲気や勢いでキスをしただけだったのかな?

キスも一度しただけだし、それ以上は何もなかった。

雰囲気や勢いだけのキスなら、友達同士の間違えだったのかもしれない。

私からはもう連絡はしない方が得策だと思う。

香坂君からの連絡を待って、連絡が来なければ綺麗さっぱり諦めよう───・・・・・・

職場にはまだ何人かが残業していて、涙は絶対に他人に見られたくないので化粧室へと足早に向かう。

途中、スーツ姿の男性にぶつかり化粧ポーチを床に落としてしまった。

「ごめんなさいっ」
「こちらこそ、すみません…」

男性も持っていた資料が手からすり抜けて、床に散らばる。

私は資料を急いで拾いながら顔を見上げると、驚きの人物が目の前に存在していたので目が丸くなった。

「こ、うさか君…?」
「ゆかり、ちゃん!?」

それはまさかの香坂君で資料を拾う手を止めた───・・・・・・
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