糖度高めな秘密の密会はいかが?
香坂君が私の髪に触れて、愛おしそうに優しく頭を撫でる。

額にキスを落として、指で涙をなぞり目元にもキスを落とす。

目が合うと自然に唇を重ねていた。

何回か触れるだけのキスを繰り返し、二人で微笑む。

「…香坂君、新しいお仕事頑張ってね」

「…うん、ありがとう。必ず連絡するから」

私達は給湯室を出て、それぞれの仕事に戻った。

香坂君が社内に居た理由は疑問に思うが、今は深く追求してはいけない。

今日、少しでも会えた事を糧にして後少しだけ頑張ろう。

職場に戻り、忘年会の回覧板を適当に作り始めたが、社長も参加する事を思い出して作業をやり直す。

パンフレットの構想は後回しにして、回覧板作成が終わったら帰ろう。

帰ったらドラマの録画でも見ようか?

あれこれ考えながら作業していると綾美が近付いて来た。

「ゆかり、仕事終わった?もうすぐ終わるから、たまには飲みに行かない?」

「いいよ、行こう。しっかしさぁ、綾美が残業してるの久しぶりに見たよ」

「ひどーいっ!私だって残業するよ、半ば無理やりだけどね…」

綾美とやり取りしていると遠くから「何か言ったか?」と日下部さんの声が聞こえた。

まだまだ夜は長いから、綾美と二人で楽しもう。

ちょっと位の二日酔いも関係ない、明日は休みだからノンビリ過ごそう───・・・・・・
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