糖度高めな秘密の密会はいかが?
香坂君は手を繋いでいる私に合わせてゆっくりと歩いてくれる。

「…雪降ってきたね」

空からハラハラと雪が舞い降りて、髪や頬に触れる。

そう言えば、今朝のニュースでホワイトクリスマスになりそうですって言ってたのを思い出した。

クリスマスイブに雪が降るなんて子供の頃以来かも?

「雪が沢山降らない内に帰ろうか…?それとも今日、お泊まり大丈夫?」

恥ずかしいからか、私の顔を見ないように空を見上げる様にしながら聞いてくる香坂君。

「……うん」

「ホテルが満室で予約出来なくて、俺ん家だけど良い?」

声は出さずに静かに頷くと香坂君は嬉しそうに微笑んだ。

実は言うとお泊まりコースになっても慌てない為に下着の替えだけはバックに忍ばせてきた。

お泊まりするドキドキ感は変わらないのだが、学生時代とは違い経験が豊富になったのか、羞恥心が少なくなったのか・・・用意周到だったりする。

今日こそは進展して、日下部さんの事でモヤモヤしたりしないようにして欲しい。

日下部さんには『好き』って言われた訳ではないし、強引にキスマークを付けられただけ。

五年間一緒に居るけれど、好きとかそんな素振りは一度もなくて何で今更?

私に彼氏が出来たからって面白くなくてからかってるだけなんだよ、きっと。

困ったお兄ちゃんだ───・・・・・・
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