糖度高めな秘密の密会はいかが?
「自撮りって難しいね…手ブレしてる」

『崩すのが勿体ない!』と言いながらも、ホールのままのケーキをフォークですくって食べながら、撮影した写真を香坂君と眺めている。

「ゆかりちゃんの写真もっと見たい!」

「会社のハロウィンのならあるけど…恥ずかしいから嫌だっ」

「ゆかりちゃん、発見!魔女だ、可愛い」

「無理やり着せられたのっ。今回は企画開発部が幹事のハロウィンパーティーだったから。飾り付け手伝ったら帰るつもりが捕まって…」

香坂君にスマホを奪われて写真データを覗かれる。

綾美から送って貰ったハロウィンパーティーの集合写真や同期達との写真。

特に気まづい写真とかはないので、別に構わないんだけど自分の写真が見られるのが嫌だ。

写真のデータをパソコンに移しておけば良かった、と後悔中。

「あ、この人…こないだの上司さんだよね?」

「そう、若くして部長なんだ」

日下部さんだけは変装していないが、誰も『して下さい』とも言えないので一人だけスーツ姿なのだ。

「ゆかりちゃんと二人で並んでるとかお似合いで…悔しい。男から見ても格好いいし、こんな人が上司だと心配…」

「モテるけど私にはドSそのものだよ。口うるさい上司…又は心配性なお兄ちゃん的な存在だよ」
< 50 / 216 >

この作品をシェア

pagetop