糖度高めな秘密の密会はいかが?
"保護者として見守っているだけだ!"
"気がおかしくなりそうなんだよっ"

───日下部さんの言葉を思い出した。

キスマークをつけてみたり、キスしたり・・・優しくしたり、突き放したり・・・日下部さんの本当の気持ちはどこにあるんだろう?

一瞬の気の迷いなら、なかった事にすれば気が楽になって、考えなくて済む。

「ゆかりちゃんに釣り合う様に頑張るから…。部長さんみたいに格好良くなれるといいんだけど…」

「香坂君は充分カッコイイよ。今日のスーツ姿にかなりドキドキしたもん」

ワインとシャンパンで酔いが回ってきたのか、ずっとずっと言いたくてウズウズしていた言葉が恥ずかしげもなく言えた。

「私の方こそ年上だから、若作りにならないように…香坂君と釣り合うようにっていつも思ってた。年の差ってどう足掻いても埋められないから…」

「多分お互いに気にしてたんだと思う。俺にはゆかりちゃんが可愛いけど大人っぽいから早く追いつかなきゃっていつも思ってたから」

「私はまだまだ完璧な大人なんかじゃないよ。25歳になったらなったでこんなもんかって思ったもん。ほら、苺も手づかみで食べちゃうし!」

ケーキの苺を指で摘みパクっとひと口で食べてから、更に新しい苺を掴み香坂君の口元につけた。

「食べて?」

「うん」と呟いて香坂君は私の指を手で支えて苺を食べたら、私の指についていた生クリームまで舐めた。

その延長上でソファーに押し倒された私は最高潮にドキドキしていて、動揺を隠せない。

「ゆかりちゃんの唇甘い…」
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