糖度高めな秘密の密会はいかが?
「こ、うさかくん…もう…いやぁ…」

香坂君は、まるで意地悪をしているかの様に私に刺激を与え続ける。

「名前で呼んでみて?そしたら止めてあげるかも…?」

「…あ、りとく…ん…」

「"君"づけじゃ駄目。ちゃんと呼んでみて?」

「…っ、ありと…。有澄!」

息も絶え絶えの私に対して、香坂君…いや、有澄は余裕がある。

「はい、良く出来ました!…ゆかり、大好きだよ」

"ゆかり"───初めて呼び捨てで呼ばれた。

名前の呼び捨ては特別感がある。

呼び慣れない又は呼ばれ慣れないとくすぐったくはあるけれど、凄く嬉しい。

───甘美なひと時が終わっても、パジャマを着ずにベッドでゴロゴロしていた。

私は有澄に腕枕をしてもらって、お互いの顔が見えるように横向きで寝転がる。

「ゆかり…可愛いすぎる!目はトロンとしてるし、ほっぺはほんのり赤いし。本当に可愛くて食べちゃいたいくらい」

「…いっつも有澄ばっかり余裕で嫌だ…」

私がつぶやくと有澄が、

「余裕がないから、毎日したくなるし…俺だけしか見れない可愛い顔も見たいから意地悪も沢山しちゃうし…。ゆかりに身体の負担をかけちゃいけないって思うけど…いざとなったら我慢出来なくてごめんなさい…」

と話して、急に落ち込んだかの様に見えた。

そんな有澄に心がキュンとして私からキスをした。

深く深く、貪る様なキスに変わった時にはもう午前1時を過ぎていた───・・・・・・
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