糖度高めな秘密の密会はいかが?
『全く、こいつらはいつもいつも…』とブツクサ言いながら、またもやゲームを始める。

紅茶を手に持ちながら、どんなゲームなのか覗いてみる。

指でなぞって消してモンスターを倒して、最後は形を合わせて消すのね・・・。

「お前、近い…!」

いつの間にか、身を乗り出し、接近し過ぎていたらしく日下部さんにデコピンされた。

「痛い…!ちょっと見てただけでしょ!」

「邪魔なんだよ!また、お前のせいでまたレア逃がした」

「自分が下手だからでしょ!」

「…だったら、お前がやってみな」

ポイッとタブレットを太ももの上に置かれて、背もたれのシートに左腕を回して、私を囲む。

日下部さんの方が至近距離だと思う。

見下ろされ、小屋に入れられた小動物の様に縮こまる。

操作方法が良く分からないが適当にいじってみよう。

「あ、、ゲームオーバー…」

やっぱり駄目じゃん、操作方法も分からないんじゃ太刀打ち出来ないよ。

「最後の1回だったのに!お前のせいで、体力回復までに2時間は要する事になったな」

「………」

私からタブレットを取り上げ、画面を消してからバックにしまう。

絶句。

日下部さんが妙に子供っぽい。

拗ねてる。

プライベートの日下部さんって、いつもこうなのか?

仕事中のガミガミうるさい部長ではない、"素"の日下部さんなんだろうか?

「日下部さんと秋葉さんて、仲良しですね」と言って高橋さんが微笑み、

「はたから見たらカレカノだよね」と綾美が後部座席を見て、ニヤニヤしながら言う。
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