俺がずっと守るから
バタン、と閉まる扉を呆然と見つめる。
ヤマトがニャーと鳴いて足へ擦り寄ってくる中、ただただ私は顔を赤くすることしか出来なかった。
ロ、ロンドン帰り恐ろしいよ…。
からかってる時の方が多いはずなのに、ふとした時の三芳くんの動作ひとつひとつが優しくてドキッとしてしまう。
慣れてるなぁと思うはずなのに、やっぱりどこか紳士的な三芳くんに魅せられてしまったのも事実だった。
─────コンコン、
「…っ、はい!」
「失礼します、お嬢様」
それからすぐに扉がノックされ、李樹が顔を出す。
「三芳くんなら言われた通り帰したわよ…?」
動揺してるのを悟られたくなくて真っ先に三芳くんの帰宅を告げれば、李樹は「そうですか」と言いながらパシッと私の手首を掴んだ。
「っ、し、いな…?」
突然のことに驚いて声が上ずってしまう。
三芳くんの時とはまた違うドキドキ。
掴まれた手首が熱い。
いくら三芳くんにドキッとしても、いざとなればやっぱり李樹へのドキドキには敵わないと思った。
ほらだって、心臓の音がこんなにもうるさくなる。