俺がずっと守るから
俺の力を買ってくれたのは旦那様だ。
特別頭が良いわけでもなく、ただ道場の息子だからという理由で武術にのみ長けていた俺。
無駄に強かったことから、中学時代はだいぶ荒れていた。
そんな荒んだ人生を旦那様に買ってもらい、俺は彩葉に出会ったんだ。
おまけにそれまで伸び悩んでいた道場の生徒数もこれを機に上昇。
だからこそ、椎名家は皆月家には頭が上がらない。
最初は名家のお嬢様だというからどんな人なのかと正直不安だった。
が、その彩葉お嬢様は他の女子高生より品はあるものの、表情豊かで無邪気な普通の子。
おまけにそんな彼女に惹かれてしまった自分にとってみたら、彼女は小悪魔以外の何者でもなかった。
「どうなってんだよ、李樹」
「…どうもこうも、見たままだよ」
学校に登校すれば、それはもう大騒ぎで。
彩葉と三芳が並んで登校してることに俺がアクションを起こさないものだから、「別れた」という噂がこの朝だけで一瞬にして広まった。