俺がずっと守るから



「見せに行ってやれよ」

「うー…」

「はい、唸るの禁止な」



行ってこい、と背中を押される。




紺色の、オフショルダーのミディアムドレス。


肩口には大きめのリボンが付いていて、裾にはラメ入り。



こんな格好、李樹には滅多に見せたことがないのに。




そりゃ、今までも何度かあったパーティーでドレス姿は見てもらってるけど。


それでも、やっぱり慣れない格好を李樹に見られるのはなんだか気恥ずかしかった。



…オマケに、今気まずいところだし。




どうしよう。



そんなことをぐるぐる考えながら、とりあえず部屋を出たその時。




「お嬢様」

「…っ!?」



ちょうど部屋に入って来ようとしていたらしい李樹にバッタリ遭遇してしまった。




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