俺がずっと守るから
「つまり彩葉ちゃんは、彼が大好きなんだね」
「う〜…」
訳も分からずグダグダと話した内容は、最終的には麗美さんによって "李樹が大好き" だというシンプルなものに片付けられてしまった。
「じゃあ、そんな彩葉ちゃんに1つだけアドバイス」
「?」
人差し指をピンと立てて、麗美さんは優しく微笑んだ。
「1つだけでいいから、努力をしてみて。忘れるための努力じゃなくて、好きな人に "好き" って伝えられるようになるための努力」
「努力…?」
「そう。好きと言うための努力」
忘れられないほど好きなら、その好きがなくなるまで伝えた方がいいよ────と。
「私はそれで司さんとここまで来れたから」
そう言ってニコッと笑った麗美さんに、心から、兄様は素敵な人を見つけたなと思った。
「麗美さん」
「ん?」
「大好きです」
「…っ!!可愛い!彩葉ちゃんっ!」
そのあと、私は兄様と李樹が戻ってくるまでひたすら麗美さんに撫でられていた。