俺がずっと守るから



パーティーも後半戦に差し掛かった頃。




「ところで、兄様と何の話ししてたの?椎名」

「それは内緒です」




皆月家、五十嵐家両家からの挨拶も終わり、私は李樹と外のテラスで風に当たっていた。


1人でいいと言ったのに、1人は危険だからと無理矢理付いてきたあたりは流石としか言いようがない。




それをチャンスに兄様との会話を聞き出そうとしたのに、李樹は口を開くことはなかった。




「ねぇ、李樹」

「…誰が聞いてるか分かりませんよ」

「李樹」

「はぁ。何でしょうか」



ため息を吐いてから、なんだかんだで私の呼びかけに返事をしてくれる李樹。


椎名、と、今はどうしても呼びたくなかった。




「……ごめんね」

「っ、」


ポツリと出た小さな言葉に、李樹の息を呑む気配。




「たくさん困らせて、ごめんね」




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