俺がずっと守るから
数秒、私たちの時間が止まった気がした。
けどそれは多分、ほんの一瞬。
少しだけ長く感じてしまっただけ。
「お嬢様、」
だからなのか、李樹が口を開いた瞬間から李樹の言葉に敏感になっていた。
「俺の方こそ、すみませんでした」
「…え?」
予想してなかった李樹からの答え。
まさか謝られるとは思ってなかった私は、思わず彼の顔を見上げてしまった。
パチ、と目が合う。
李樹も私を見ていたから。
「お嬢様のこと、たくさん傷つけてしまいました。俺だって負けずにお嬢様のこと困らせて…」
「李樹…?」
いつになく言葉を紡ぐ李樹。
そして次の瞬間。
「────…彩葉」
「っ!」
李樹が、私を呼んだ。