俺がずっと守るから
初めてだ。
李樹が学校以外で私の名前を呼ぶだなんて。
ドキドキと心臓が速度を増す。
けど、期待してはいけないと必死に自分に言い聞かせた。
また泣くことになるのは嫌だ。
期待した分だけ、あとで傷つくことになる。
そう思うはずなのに、李樹が意味深な言葉を残すものだから私はどうすればいいのか分からなかった。
「あと少しだけ、待っててくれないか」と。
李樹は、そう言ったんだ。
「それって、どういう…」
「もう困らせないから。泣かせないから」
「李樹…?」
「あと少しだけ、待ってて欲しい」
真剣な声、瞳、表情。
その全てが私を捉えて離さなかった。