俺がずっと守るから



「元気?…って、今はそれどころじゃないか」

「うー…」



何だかホッとして、少し落ち着く。




三芳くんとは、あれ以来一度も会っていなかった。


家の用事とかで、三芳くんは一切学校に来なかったから。




「三芳くん、あの、」


だから私はまだ、三芳くんにお礼を言っていない。


せめてそれだけは直接言いたくて、私は口を開いた。



「彩葉ちゃん、今時間ある?」

「へ?」


けど、それよりも先に口を開いたのは三芳くんで。




「ちょっと付き合ってよ。椎名クンも一緒でいいからさ」

「?」


有無も言わせず、私と李樹は三芳くんに連れられ、とある部屋へと足を進めることになってしまった。



< 162 / 193 >

この作品をシェア

pagetop