俺がずっと守るから
「あ、椎名クンはそこで待っててね」
「…は?」
「はい、怖い顔しないの。すぐまた呼ぶから」
そう言って部屋の扉の前で李樹を待たせれば、バタン、と扉を閉めてしまった三芳くん。
「あの…、えっと」
「あはは、そんなに警戒しなくていいよ」
すぐ済むから、と部屋のクローゼットを物色する三芳くんは、もう完全に私達を自分のペースへと巻き込んでいた。
「私、三芳くんに言いたいことがあって…」
「うん、何?」
もう今の状況がよくわかってないけれど、折角の機会。
何やらずっと作業をしている三芳くんに、私は話しかけた。
「ありがとう。…色々と」
「……」
ピタ、と一瞬三芳くんの動きが止まる。
けどすぐにそれは元に戻って。
「そんなこと言ったら、好きなの諦められなくなるでしょ?」
「な…っ」
「クスッ、冗談だよ」
いつものように、三芳くんはクスリと笑ってくれた。