俺がずっと守るから
あ、そうか、今日って。
今日の日付を思い出して、合点がいった。
司さんがニヤついて「おめでとう」と言ってきたのも、このことだったんだ。
「え、もしかして自分の誕生日忘れてた…?」
「…あぁ。もうすっかり抜けてた」
「えぇっ」
まさかの俺の反応に、彩葉の目はパチリと驚いた表情を浮かべる。
その顔がなんだか堪らなく可愛くて、思わず彼女を抱きしめた。
「ちょ、李樹…っ!」
「ありがとう、彩葉」
最初は抵抗を見せた彩葉も、すぐに大人しくなって俺の背中に腕を回してくれる。
何だよ、これ。可愛すぎ。
幸せすぎるこの状況に、今日は最高の誕生日だと悟った。