俺がずっと守るから



「知らないのなら教えてあげるよ。彩葉は俺のだ。安易に近付かないでもらえるかな?」

「ヒ…ッ」



言葉は柔らかいのに、顔は笑顔なのに、何故中橋くんはこうも怖がり周りも怯えた様子を見せるのか。



それは、李樹の目が完全に笑っていないから。それ以外の何物でもない。





「ご、ごめんね中橋くん…。そういうことだから…」


こうなれば私がフォローを入れるしかないんだ。



少しでも中橋くんの恐怖を軽減させてあげられるように。




…まぁ、それも虚しく中橋くんは光の速さでその場から消えていったわけだけど。





「命知らずな奴め」

「あの過保護な椎名に勝てるわけないってのにな」

「本当本当」



しばらくクラスの中では、その話で持ちきりになっていた。





「相変わらず溺愛だったねー、李樹くん?」

「茶化すな、関本」

「ちぇー、俺も見たかったなぁ」



それからのお昼ご飯は、余りにも周りが騒ぐものだからいつもの4人で中庭で過ごす。




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