俺がずっと守るから
瞬間、ザワッとクラス内がざわめく。
しかしこれは、転校生が私のことを知っていたからではなく、別の理由からだというのがすぐに分かった。
「お、おい、やめとけ転校生。皆月には椎名がいるんだから」
「そうだぞ。殺されたくなかったら皆月には触れないことだ」
周りの男子達が、口を揃えて三芳くんを止めたから。
「え、彩葉ちゃん、彼氏いるの?」
そんな周りのざわめきをよそに、三芳くんは驚いたように私に目を向ける。
なるほど。彼はどうやら学校内での私と椎名については聞かされていないらしい。
チラリと李樹に目を向ければ、李樹は至って普通に「握手くらいしてやれば?」なんて言ってのけた。
その発言に、またクラスがざわめく。
「え、椎名が許した…?」
「嘘だろ、あの椎名が?」
私には超過保護だと有名な李樹が、転校生との握手を許した。
それは、明日は雪が降るかもしれないレベルの衝撃的瞬間。
「え、あ…うん」
もちろん、それには私も驚かざるを得ない。
横にいた光里も輝も、目を見開いていた。