俺がずっと守るから
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「おはようございます、お嬢様」
「…おはよ」
次の日になれば、やっぱり李樹は嫌味なほどいつも通り。
私の不貞腐れた挨拶も綺麗に水に流している様子。
そんな李樹がムカつくはずなのに。
「行こう、彩葉」
「っ」
李樹が私の名前を呼んでくれた瞬間どうしてもドキッとしてしまう私は、よっぽど単純なんだと思う。
「わ〜、なるほど。これが過保護な彼氏っぷりか。そりゃ周りに忠告されちゃうよね、俺」
「っ!?」
家の門を出たところで、突然後ろから聞こえた声に驚いて振り返った。
そこにはニコリと笑う三芳くんの姿が。
「…三芳くん。何してるの、こんなところで」
「え、彩葉ちゃんと一緒に学校行こうと思って?」
思って?って、何で疑問系なんだか。
「いいの?三芳財閥のご子息が車もなしにこんな所に1人でいて」
「車なしなのは彩葉ちゃんも同じでしょ?」
「私はいいの。李樹がいるから」
「それは心強い」
やっぱりニコニコ笑う三芳くんは、どこかテンポがつかめない。
なんか、調子が狂ってしまう。