俺がずっと守るから



恨みがましく睨んでも、三芳くんは「そんな睨み可愛いだけだよ」なんて言ってやっぱりクスリと笑う。




「俺と結婚する気ある?」

「ないです」

「あはは、やっぱり」



そう即答する私とは裏腹に、何故か三芳くんは楽しそうだ。


そんな彼の膝の上ではヤマトがゴロゴロと喉を鳴らして甘えている。





「バカだね、彩葉ちゃん」

「っ、は?」


ヤマトを撫でる三芳くんの口から、初めて悪態をつく言葉が出た。




「自分でもわかるでしょ?報われないことくらい」

「…」



容赦ない言葉が降って来るのに、何も言い返せない自分。


それは、少し図星な部分があったからだ。




李樹に想いを伝えても、全てはぐらかされる。


仮に。本当に仮に李樹が応えてくれたとしても、次は父様が許してくれないだろう。




報われない、とは言いたくない。


けど、難しいということはもう十分すぎるくらい分かってた。



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