俺がずっと守るから
なんで。なんでこうなるの。
ギュッと唇を噛み締め、必死に涙を堪える。
さっきまで楽しかったのに。嬉しかったのに。
李樹との時間が幸せだったのに、今は李樹と一緒に居たくない。
「李樹は、私をバカにしてるの…?」
「…そういうわけでは」
「じゃあ本気で言ってるの?」
これなら、三芳くんにからかわれた方がまだマシだ。
「李樹、私は本気であなたが好きなの。婚約の話だって認めないって言ったじゃない」
「…っ、お嬢様」
「彩葉って呼んでよ!」
訳がわからなくなって、そう大声を出してしまった。
ハッとしたところでもう遅い。
「…もう時間も遅い。この話はまた改めてにしましょう」
「………」
「おやすみなさいませ。…お嬢様」
そう言った李樹の気配が、どんどん遠ざかる。
パタン、と扉がしまったと同時に、私はその場にズルズルとしゃがみこんだ。