俺がずっと守るから
ずるい。
まず浮かんだ言葉はそれ。
「ばか…っ、りきなんか…、李樹なんか…っ」
我慢しきれなくなった涙がボロボロと溢れる。
今までも何度もはぐらかされてきたけど、これはあんまりだ。
ただただ虚しい。
─────コンコン、
「…っ!」
そのタイミングで、扉をノックする音が聞こえた。
賢木だろうか。
涙を拭って顔を上げる。
「もう寝るわ。用ならまた明日にしてちょうだい」
涙声を必死に抑えて、あくまでも平静に扉に向かってそう言い放った。
いくら賢木だろうとこの顔じゃ今は誰にも会えないし、会いたくない。
だから帰ってもらおうと、そう言ったのに。
─────ガチャッ
「っ、ちょっと…!いくら賢木でも勝手に………───え?」
その扉は開いて、中へと人が踏み込んできたんだ。